Memo

メモ、お返事、雑感

No.1183

9巻新宿での最後の五夏の会話読むたび胸が痛くなる。ここの二人って会話してるようですでに会話してないよね。
五条が夏油に言った言葉ってたぶんすでに夏油の中では何周も巡っててその上で今もうその言葉で何かを揺さぶられる段階にないんだろう。五条の言葉が夏油にちっとも響いてない、どころか届いてすらないんだろう。
それが悲しい。
でも一方五条も最後まで夏油が抱えてた悲しみも苦しみも絶望も知らなかったんだよなって。
だから夏油が破滅しか待ってない道に踏み込むことも見抜けなかったし、どうして踏み込んでしまったかもたぶん理解できない。
悲しい。絶対的に理解できない壁をまざまざと見せつけられて、そしてそれを乗り越えていっしょに生きる道すら絶たれる瞬間を丁寧に描いてるからよりいっそう悲しい。あんさんぶるしろ(別ジャンル)

五条からすれば夏油のこの後の展開はどう足掻いても破滅だし、夏油の目的を達成させるわけにもいかないからそれは自分が阻止する役目だと全部わかってる上であの場で取れる手段が殺すしかないのに殺せなかった事実。
それが俺に救えるのは救われる準備のあるやつだけ、に繫がるのかと思うと本当につらい。悲しい。本人の悲壮感が外側にそれほど表われないからよりいっそう。
夏油も口でああ言いつつ自分の行く先が破滅しかないのは重々承知だったと思う。
それを五条もわかってるから、引き止めることも連れ戻すことも着いて行くこともできなくてただ残された選択肢は殺すことだけ、って瞬時に理解できちゃったんだろうね。
頭がよすぎるってつらいね。そして殺すことだけはできなかった。

五条って徹底的に秩序側の存在だと思う。
無茶苦茶な人物扱いされるし性格悪いとかクズとか言われるけど、自分の存在が世界でどういう役目を負ってるのかちゃんと理解してる。
だからあの時瞬時にここで傑は殺すべきだ、と頭で判断はできたけど感情がそれをさせなかった。
と私は読み取りました(感想文)
盤星教の時のように五条が何も感じず殺すことができる機構のように化してたなら、夏油もこの時新宿で死んでたのかもしれない。そうはならなかった。五条には感情があったから……
悲しい
#五夏

感想